県内待望の乳腺センターでは、早期発見・早期治療のための乳がん検診を推薦しています

検査方法・手術方法

  • マンモグラフィ(乳房のレントゲン写真です)
    レントゲン撮影装置で乳房をはさんでX線写真をとります。乳がんの早期発見にはとても有用な検査の1つです。 撮影技師は専門の資格を持った女性放射線技師が担当します。




  • 超音波自動ブレストボリュームスキャナ(ABVS)
    1. 乳房全体を連続的に自動スキャン可能な超音波装置です。
    2. 圧迫による痛みも強くなく、放射線を用いません。
    3. 身体的・精神的ストレスの少ない、やさしい検査です。



  • MRI検査
    乳房内の腫瘤や微細石灰病変の血流量を調べるために、造影剤を血管内に注入して検査します。 良性か悪性かの絞り込み、複数の病変がないかどうか、乳房に病変がないかどうかを検査します。




  • マンモトーム生検(吸引式針生検)
    乳房内のしこりや石灰化病変が良性か悪性かを判断するため、組織を採取して検査します。マンモトーム生検は、細胞診や針生検よりも確実に組織を採取し診断できます。特に最近ではマンモグラフィ検診が盛んに行われており、小さな石灰化病変が発見されています。この小さな石灰化病変が早期の乳がんかどうかを診断する検査方法としてマンモトーム生検が力を発揮します。当院では県下で最も早く導入しており、これまでに400例以上の石灰化病変を生検してきました。現在、岐阜大学病院、岐阜市民病院、高山赤十字病院など他の医療機関から石灰化病変の生検の検査依頼を受けております。




  • 乳管造影や乳管内視鏡
    乳頭からの血性分泌物がある場合に行う検査です。乳管造影は、分泌物が出てくる乳管から造影剤を注入してマンモグラフィ撮影を行います。 乳管内視鏡は、分泌物が出てくる乳管に1mm以下の極細の内視鏡を挿入して、直接乳管の内部を観察する方法です。 乳管内乳頭腫(良性)や早期の乳管内乳がんの診断に有効です。


  • 以上のような方法を用いて総合的に乳腺疾患を診断します。


     トピックス(Topics)

    1. デジタル超音波診断装置 Preirus の導入

      乳がんは早期発見が予後を左右すると言われています。マンモグラフィ、超音波のいずれの検査にも描出されず、MRIでしか写らない乳がんがあることが、最近わかっています。このような乳がんについてはMRIガイド下生検が有効ですが、現在この生検ができる施設は日本でも数か所で、このような症例については経過観察しているのが現状です。
      今回、導入した超音波診断装置は、Real-time Virtual Sonography(RVS)機能とエラストグラフィ機能を搭載しています。RVS機能とは、MRI、CTのボリュームデータを取り込み、MRI・CTの画像と超音波の画像を同期させる機能で、MRIで染まっている病変を超音波で見つけることが可能になる画期的な機能です。エラストグラフィ機能とは、乳がんの良悪性鑑別に必要なしこりの硬さが色でわかる機能です。 この装置を用いて、これまで見つけられなかった乳がんの発見に役立てたいと思います。




    2. 乳がんリンパ節転移迅速検査法(OSNA法)の導入

      早期乳がん患者のリンパ節郭清の判断にセンチネルリンパ節生検が普及しており、2010年4月から保険適応となりました。これまで当院では、術前に日帰りセンチネルリンパ節生検を実施し、その後乳腺切除術をおこなうという2回の手術を実施する方法でしたが、この新しいOSNA法は、短時間(30分程度)で術中センチネルリンパ節の診断が可能となり、これまでの最終病理診断と同等あるいはそれ以上の検出感度を実現した画期的な診断法です。 患者さまにとって手術負担の軽減のみならず、QOLの向上に貢献するものと確信します。

    手術 乳腺切除術と乳房温存手術

    がんの大きさが3cm以内で、多発病変や広範囲にがんが広がっておらず、ご本人の希望がある場合は、乳房温存手術の対象となります。
    ただし、乳房が大きな人では4cmほどでも温存手術後の整容性が保たれれば温存手術は可能となります。この温存手術の場合は術後に放射線治療が必要となります。



    センチネルリンパ節生検

    がんが一番転移しやすい腋窩リンパ節をセンチネルリンパ節と言います。
    アイソトープという放射線をだす物質を乳腺に注射して、リンパ節に取り込まれた放射線を測定することによりセンチネルリンパ節を見つけ生検します。
    このセンチネルリンパ節に転移がなければ、リンパ節転移がないと考えられ、リンパ節郭清は行いません。



     乳がんの治療は外科療法(手術)、放射線療法、薬物療法があり、腫瘍の大きさや進行度、乳がんのホルモン感受性、HER2蛋白の発現などにより、いろいろな方法を組み合わせて集学的に治療します。
     進行・再発乳がんの場合もホルモン療法、薬物療法、放射線療法など最新の情報を取り入れた上で、お一人おひとりの患者さまに最適な治療法を選択してまいります。 


     

     

     

     

    より質の高い医療提供のために

    #

    病院の特徴

    #

    地域医療から専門性の高い医療を、この地域のために