病院長あいさつ

 

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 ご存知の方も多いと思いますが,当院は2020年9月に新棟(南棟)での診療が開始されました.現在もなお,旧棟(北棟)の改修工事が毎日のように進行中で,来年6月を目処に完成予定です.もちろんその後も一部建物の解体工事や,病院建物の北側の駐車場などの整備が残っていますが,今後1年余りの間に病院の外観・内観がすべて生まれ変わります.それまでは,患者様に大変ご不便をおかけすることをお許しください.


 当院は南棟完成と同時に診療録つまりカルテをすべて電子化といたしました.今さらと思っておられる方も多く,決して珍しいことではありませんが,我々職員にとっては業務の運営上で初めて経験することで,今のところ電子カルテに使われている感もあります.しかし,こういったITは使う人のアイデア次第で便利になって行き,使いこなせるようになれば我々の大きな手となり脚となり頭となると思います.高齢化や少子化で医療も日々考え方を変えながら対応していかなければならない時代に,電子カルテは大きな味方になると思っています.さらに,電子カルテと連動させたAI問診の導入を行いました.現在のところ初診や救急患者様にのみですが,病院の受付をされたらタブレットで症状や受診までの経過などを細かく入力していただき,診察室にお呼びした時には電子カルテ上で記入された項目を診察医が見ることができるというものです.医師の診察時に行われているいわゆる問診の時間を短縮するものです.


 また,患者様の診察室への呼び入れも医師の目の前の電子カルテで可能となり,患者様をお呼びする職員の負担も軽減できるシステムといたしました.


 南棟の2階に目を移しますと,新しくなった内視鏡室,透析室,手術室があります.旧棟の時はそれぞれの部屋の広さが十分でなく,どこか薄暗い感じを持たれたかと思いますが,新しくなったことで患者様も職員も広さの余裕をもって使用できる利点を感じ少しでも快適に過ごせるように致しました.


 また病棟でももちろん電子カルテを利用し,日々の患者さんの状態を入力していきます.まだ不慣れで入力に時間はかかっているかと思いますが,紙カルテのような手書きの煩雑さ,字の不明瞭さなどは解消されました.また,各病室の環境もよくなり部屋の温度調整なども比較的細目にできると思われます.


 最後に,新棟完成の折りに私たちは病院の目指す方向を改めて考え,理念・基本方針などを見直すことといたしました.医療は日々進歩していて,医療を提供する側と受ける側の時代の流れに伴う意識の変化や,求め求められるレベルの高さがあります.さらに,高齢社会の中で介護の重要性も非常に高まっています.一人ひとりが自分の基本的な役割を果たすために,我々が最も重要視するのは医療の安全を十分確保し,安心して医療や介護を受けられるということと第一に考えました.したがって我々が掲げる理念は一つ,“皆さまの安全・安心に配慮した良質な医療を提供いたします”です.多くの重要な事柄はありますが,皆が覚えやすいよう敢えて多くを掲げることは致しませんでした.ただし,理念を実現するための基本方針や患者さんの権利や義務の中で,重要と思われることや旧基本方針の必要と思われる事柄はいつでもふり返られるよう引き継いでいます.


 この理念を基本に当院の役割を常に考えながら診療や介護に努めてまいりたいと思います.

 今後ともよろしくお願いいたします.

 

 

 

2020年11月             
JA岐阜厚生連 岐阜・西濃医療センター
岐北厚生病院  病院長  益田 和明

 

病院の特徴

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地域医療から専門性の高い医療を、この地域のために