緩和ケアセンター

「憩いのひと時」2022年 菊井 文華

いのちの安らぎ、つながり、支え合い ~あなたらしく希望を持って生きぬける寄り添いのケア~

緩和ケアとは

治療とともに歩む緩和ケア
患者さんと家族を支えるチーム医療

「緩和ケア」は、がんなどの重い病気を持った患者さんとそのご家族の痛み・苦しみや辛さ、困難が少しでも和らぐように、多くの職種がチームワークで対応し、寄り添い、支えていく働きのことです。辛いのは身体だけではありません。心・立場・魂など、様々な方面の苦しみをみんなで和らげていきます。(全人的ケア)
しかし、ちょっと考えれば、医療、福祉、介護の世界で昔から世界中で行われてきたことです。
現在、「抗がん剤などのがん治療を行うこと」と「基本的な緩和ケアを行うこと」は同時並行であるべき、とされています。また、がん以外の困難な病気、あるいは救急においても緩和ケアの重要性が注目され、体制づくりが進められつつあります。

がん治療と緩和ケア

  • かつては「緩和ケア=終末期医療」と思われていましたが、近年は「がんと診断された時からの緩和ケア」が重要になってきています。
  • 当緩和ケアセンターでは、高度進行状態の方のご利用も少なくありませんが、一方で、がん治療との良好な連携の構築を進めています。
  • 消化器がん・呼吸器がん・血液がん・泌尿器がん治療の専門医師が院内に勤務して(非常勤も含む)、連携をしています。
  • 他院のがん治療の医療機関と同時に緩和ケアセンターに通院することも十分可能です。
  • 幅広い看護の提供を目指し、がん性疼痛看護、皮膚排泄ケア看護、摂食嚥下看護、認知症看護、乳がん看護の各認定看護師が勤務活躍しています。

緩和ケアの
代表的な定義(参考)

緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み・身体的問題・心理社会的問題、スピリチュアルな(霊的・魂の)問題に関してきちんとした評価を行い、それが障害にならないように予防したり対処したりすることで、クオリティー・オブ・ライフ(生活の質・生命の質)を改善するためのアプローチである。 (世界保健機関2002)

日本の複数の学会が
話し合って訳した
緩和ケアの定義(2018)

生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOLを、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、 苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチである。

岐阜県のホスピス緩和ケアのあゆみ

1994年
2月
ぎふホスピス運動をすすめる会(神山純子代表)発足
1995年
11月
岐阜県に緩和ケア病棟設立とケアの充実を求める請願署名活動開始
1996年
2月
4万5千人の署名を提出、 3月県議会にて満場一致で採択
日本緩和医療学会発足
1997年 第5回日本ホスピス・在宅ケア研究会岐阜大会
ボランティア講座開始
1999年 岐阜中央病院(現岐阜清流病院)に県下初の緩和ケア病棟完成
2014年 岐北厚生病院に県下5番目の緩和ケア病棟として稼働開始
岐阜県ホスピス緩和ケア協議会発足
2015年 日本死の臨床研究会年次大会(岐阜)
2016年 県下の緩和ケア病棟が6か所となる
2020年 診療報酬改定(緩和ケア病棟入院料1・2も改訂)
2024年 岐北厚生病院緩和ケアセンターが10周年を迎える
2026年 県下の緩和ケア病棟が8か所となる
末期腎不全が緩和ケア病棟入院対象疾患となる

腎不全と緩和ケア

2026年6月より、末期腎不全の方の病棟入院が認められるようになりました。
当院ではそのような方の受け入れについて体制づくりを検討していきます。

ご利用いただける方

「緩和ケア」はあらゆる病気や怪我による苦悩に対応することではありますが、
医療制度としては一定の条件があります。

病名

がんエイズ(後天性免疫不全症候群)腎不全
前述のように心不全、呼吸器難病、神経難病、肝硬変などは、基本的には対象外ですが、近年はこれらの病気についても必要性が唱えられています。

病状・状態

  • がんの全人的な苦しみがある場合(末期とは限らない)
  • 抗がん剤治療で疲れてしまった場合
  • 限られた時間を過ごしている場合(末期腎不全も含む/要相談)
  • 自宅で患者さん・家族が疲れた場合
  • 時々通院したい場合

その他

  • 基本的に患者が病名病状を理解している(個別に相談あり)
  • 基本的に患者・家族が緩和ケアを希望している(個別に相談あり)
  • 緩和ケア外来を受診すること(突然の受診への対応は困難なことが多いです)

ケアの内容

  • 苦しい症状を緩和するためのお薬や注射・点滴などを積極的に行い、心のこもった看護ケアを提供します。
  • 医療用の麻薬(≒オピオイド)を適切に利用します。
  • がんそのものを攻撃する治療(抗がん剤)治療は控えます。
  • 痛みを緩和する放射線治療も平成29年秋から新機材で稼働し症状の緩和に役立っています。
  • 患者さんの負担となる治療や検査は控えます。
  • 起床時間・就寝時間の決まりはありません。
  • 外出・外泊・退院は患者さんの希望に沿っていきます。
  • 給食はありますが、患者さんの召し上がりたいものをとっていただいてもかまいません。
  • 率直なコミュニケーションを心がけます。嘘はつかないようにしています。
  • ご家族の付き添いや訪問は随時可能です。
  • 通院や、短期利用、在宅医療への連携も可能です。(一時入院、入退院の繰り返しも十分可能です)
  • 患者さんやご家族の「楽しい」「嬉しい」の幸せが実現できるよう、その人の個別性に注目してケアにあたります。

施設紹介

  • 面会可能です。ご家族はコロナ以前のように自由な面会が可能です。

理念

いのちの安らぎ、つながり、支え合い
〜あなたらしく 希望を持って生きぬける 寄り添いのケア〜

かけがえのない暮らし・いのち・生活に思いをはせ、
お互いに平等な立場で支えあい寄り添い合うこと、
明日に希望をもって生きていけるようなケアが提供できるようにという理念です。

方針

【全人的ケア】
身体と心と役割とスピリチュアリティーの全人的ケアを提供します。
【チーム医療】
患者さんと支えている人々をボランティアを含めた多職種のチームで支援します。職員はチームの凝集性を高めるように、より良いコミュニケーションに努力します。
【早期からの緩和ケア】
病気の早期からつながりを持ち、QOL(生命・生活の質)の向上に努めます。
【看取りの充実】
誰にも訪れる旅立ちの時間が豊かになるように心を込めてケアを行い、一人一人が寄り添いの修養を積み重ねます。
【地域連携】
地域の専門職や・住民の方々としっかりした連携を取り、患者さんと支えている方々が安心して過ごせるような療養環境を実現し、緩和ケアセンターとして地域医療のニーズに柔軟に応えます。
【人材育成】
継続したホスピス・緩和ケアを提供できるように、新しい意欲ある人材を育成します。
【研究】
よりよいケアの開発のために、倫理的規範を尊重しつつ研究を行い、将来の医療・福祉に貢献します。

施設概要

設立 2013年11月18日(2014年3月1日認可)
施設住所 岐阜県山県市高富1187-3 
岐北厚生病院
入院病棟南6階(院内病棟型)
病床数 28床(個室28室)
スタッフ
  • 看護師 19名(がん性疼痛看護認定看護師1名を含む)
  • ボランティア 40名
  • ボランティアコーディネーター 1名
  • 医師 4名(専従医/兼務医/日本緩和医療学会認定専門医2名を含む)
  • MSW※
  • 理学・作業療法士、言語聴覚士※
  • 管理栄養士※
  • 薬剤師※

(※は兼務)

病棟・施設

ナースケア・ボランティア活動

イベント

みそ汁回診

費用について

健康保険、限度額利用などが適応されます(使えます)。
生活保護の方もご利用いただけます。
28の病室があり、患者さんのプライバシーを考慮してすべて個室となっています。
個室代(差額室料)がかかる部屋がありますが、無料の個室もあります。
給食代やおむつ代、放射線治療費用などは別料金になります。
寝衣・ティッシュペーパー・タオルなど、個人でご用意いただいてもいいですが、それらを一括で利用できる契約(CSセット)を別で利用することも可能です。
具体的な費用については緩和ケア病棟までお問合せ下さい。

自宅で過ごしたいとき

在宅での療養に変更することも可能です。それには
①患者さんご本人が在宅での療養を希望している
②ご家族が了解している
などが重要です。
よりよい生活のために在宅での療養をスタッフからお勧めする場合もあります。
お近くのクリニック・医院・診療所との連携も可能です。当病棟の医師による訪問診療や往診も(少人数に限りますが)行うこともあります(詳細は要相談)。
院内には訪問看護ステーション(Sun・サン訪問看護ステーション)が併設されており、さまざまなサポート・手続きのご案内をご紹介する地域連携室もありますのでお気軽にご相談ください。     
入棟面談が終了していれば、ご自宅での生活が困難になった場合にはお待たせせずに入院・再入院が可能です。(他院入院中はできるだけ早めにお受けするようにしています)

相談窓口

市民の皆さまの相談窓口

お気軽にお電話ください。電話相談は無料です(電話代は負担してください)。
主治医の先生からの紹介がなくても相談だけならば、お気軽に(緩和ケア医師の診察・入棟面談は紹介状が必要です)。病名が患者さんに伏せてある場合もOKです。
抗がん剤を行っている間でもご相談可能です。

【相談電話番号】0581-22-1811(代表)
【相談受付時間】平日9:00~17:00

  • 時間外は後日連絡になります。
    連絡先をお伝えください

「緩和ケアについて聞きたい」と電話交換にお伝えください。担当者が対応いたします。
見学だけも歓迎です。看護師などが対応いたしますが予めの予約をお願いいたします
医師との面談【正式な外来相談】については、患者さんがお越しになれば初診料が発生します。ご家族だけの場合は、相談料がかかります。
いずれの場合も、紹介状(診療情報提供書)が必要です。(見学のみの場合は除く)

医療関係者向け相談窓口

当院地域連携室にご連絡ください。
そののちに初診(入棟面談)の予約日時【完全予約制】をお知らせします。

【電話番号】0581-22-4139(地域連携室)
【FAX番号】0581-22-4812(地域連携室)
【受付時間】平日9:00~17:00

予約日(当日も可)までに
必ず主治医からの紹介状【診療情報提供書】をお送りください。
相談時に

  1. 現在患者さんは入院中か否か
  2. 来院予定者はご本人とご家族か、ご家族だけかお知らせください。
    尚ご家族はキーパーソンを含む方とお越しいただくようお取り計らいをお願いします。

お急ぎの場合は

  1. 直接緩和ケアセンター医師にお電話いただく。(代表へお電話ください)
  2. 地域連携室で医師の専用連絡先をおたずねください。(直通電話)

過去統計

R6年度 R7年度
外来患者数 198 208
入院患者数 200 199
男女比 女性 97 103
男性 103 96
平均年齢 77.14 77.05
年代別 20代 0 0
30代 1 2
40代 2 1
50代 8 7
60代 30 25
70代 76 77
80代 62 64
90代 21 23
100代 0 0
平均在院日数 39.8 44.26
転帰 R6年度 R7年度
通院 29 47
死亡数 146 127
転棟 1 4
転院 1 1
施設 2 0
入院中 21 20

ご紹介元

紹介元 R5年度 R6年度 R7年度
岐阜大学医学部
附属病院
59 46 46
岐阜市民病院 16 17 4
岐阜県総合
医療センター
11 19 12
岐阜赤十字病院 11 8 9
長良医療
センター
0 1 0
朝日大学病院 1 1 2
当院 77 78 102
他病院 17 6 6
診療所・
クリニック
26 24 18
218 200 199

外来診療担当表

時間 診療室
完全予約制 午前 1診 西村 幸祐
11:00~12:00
西村 幸祐
11:00~12:00
髙野 仁
11:00~12:00
西村 幸祐
11:00~12:00
完全予約制 午後 1診 西村 幸祐
14:00~17:00
西村 幸祐
14:00~17:00
西村 幸祐
14:00~17:00
  • 緩和ケアセンターは完全予約制です。
    当センターに通院となった方は臨時外来も行います。(初診の方はご遠慮ください)
  • 都合により担当が代わる場合があります。
>休診情報はこちら

診療についてのお問い合わせ

岐北厚生病院 代表
  • 診療の予約、診療に関するお問い合わせはお電話にて承ります。

医師紹介

緩和ケアセンター
センター長

西村 幸祐

にしむら こうすけ

専門分野

ホスピス・緩和ケア、外科

所属学会・資格等
  • 日本緩和医療学会専門医
  • 日本外科学会専門医
  • 日本癌治療学会がん治療認定医
  • 日本認知症ケア学会認知症ケア専門士
  • 認知症サポート医
  • 日本死の臨床研究会常任理事
  • 日本緩和医療学会
  • 日本死の臨床研究会
  • 日本外科学会
  • 日本がん治療学会
  • 岐阜県ホスピス緩和ケア病棟協議会事務局
  • 岐阜大学医学部非常勤講師
  • 岐阜県立衛生専門学校講師

緩和ケア医長

髙野 仁

たかの じん

専門分野

外科、緩和ケア

所属学会・資格等
  • 日本外科学会専門医
  • 日本消化器外科学会専門医
  • 消化器がん外科治療認定医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本緩和医療学会専門医

看護師の思い

私たち緩和ケア病棟の看護師は、患者さんの痛みや不安に寄り添い、穏やかで尊厳ある日々を過ごしていただけるよう、ケアにあたっています。
私たちが一番大切にしているのは「患者さんお一人お一人を大切にする看護」です。
患者さんとご家族が「今、この時」を過ごされるお姿に寄り添い、心を込めてサポートします。患者さんのお話に耳を傾け、そのことによって苦しみが軽くなるようなケアが看護の神髄と考えています。

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